戻る  

狐「これからもずっと、わたしがお姉ちゃんでいてあげるよ」



 ID:snUdFV6XOのお話。
 ID:aTNRqx2BOと同じく、設定・文体などが>>1に近い。
 強いて違いをあげるならば、姉と弟の過剰スキンシップネタくらい?
 いずれにせよ、和みと物悲しさのバランスがたまらないお話。

272 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 03:15:58.35 ID:snUdFV6XO
かわいいきつねの おんなのこ
くいしんぼうの おねえちゃん
ふわふわふわふわおいなりさん つくってる

オムレツ からあげ ホットケーキ
とんかつ たこやき エビフライ

なんでもかんでも きつねいろ
おとうと それみて わらってる

281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 03:48:16.58 ID:snUdFV6XO
姉「くんくん。このりんごはおいしいりんご」
姉「くんくん。このみかんは買わない方がいいです」
姉「くんくん。よいキャベツ。今日はロールキャベツにしましょう」

弟「お姉ちゃん、すごいね。匂いで食べ物の良し悪しが分かるんだ」
姉「くんくん。弟くん、今朝はちゃんと歯磨きをしましたか? おくちがくさいですよ」
弟「えっ、ほんと? いつもちゃんと磨いてるのに……」
姉「もっとおくちをお姉ちゃんに近づけてください」
弟「こう?」
姉「そう。ちゅー」
弟「……んっ」
姉「ふふ、弟のおくちはいつも綺麗なのです」
弟「……だまされた」
姉「さあ、ちゅーもしたところでお会計を済ませましょうか」
弟「ちょっとお姉ちゃん、ちゅーしてる間に買い物カゴのお菓子が増えてますよ」
姉「ばれたか」

286 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 04:09:43.58 ID:snUdFV6XO
弟「お姉ちゃん、昨日の夜はどこへ行ってたの?」
姉「ん? お姉ちゃんはずっとおうちだよ?」
弟「おかしいな。探したけどどこにもいなかったよ。心配だったんだから」
姉「お部屋でぐっすり寝てたんだよ。心配してくれてありがとうございます。ふかぶかおじぎ」
弟「ふかぶかおじぎ。そっか。ならいいけど」
姉「ところで、昨晩何か変わった事はありませんでしたか?」
弟「僕のお部屋のお布団を替えましたね。とってもあったかかったですよ」
姉「ふふふ。何しろ狐の毛のお布団ですから」
弟「あ、狐の毛なんだ!」
姉「昨日の晩はとっても寒かったので、あったかな狐のお布団を用意してあげたのですよ」
弟「すごいなあ。ありがとう。ふかぶかおじぎ」
姉「ふかぶかおじぎ」
姉(弟の体もあったかかった。ありがと)

292 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 04:37:50.82 ID:snUdFV6XO
弟「お姉ちゃんの、うそつき」
姉「……えっ」
弟「昨日の洋画劇場、ビデオに撮ってくれるって言ったのに、うそつき」
姉(ああ、なんだその事か。忘れててごめんなさい。でもわたし、なんだかほっとしてる)

姉「ごめんなさい。今度ビデオ借りに行って来るね。なんて映画だったっけ」
弟「……お姉ちゃん、どうしたの? ごめんね、僕怒った振りしただけだよ」
姉「ん? 弟はどうして謝ってるの?」
弟「ごめんね、くだらない事でうそつきって言ってごめんね。今拭くもの持って来るから」
姉「ねえ、待って。……弟、どうしたんだろう」

姉「……あ」
姉(いきなりうそつきって言われて、お姉ちゃんじゃないのがばれたと思ったから、
 ……わたし、泣いてる)

姉「弟、早く戻って来て。お姉ちゃんは目にごみが入っただけだよ」

295 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 04:50:41.06 ID:snUdFV6XO
姉(牛丼には牛さんのお肉が入ってる)
姉(豚丼には豚さんのお肉)
姉(そして、焼き鳥丼には鶏さんのお肉が)
姉(という事は、このきつね丼に狐のお肉が入ってないのは、やっぱりおかしい!)

弟「お姉ちゃん、どうしたの? 早く食べないと冷めちゃうよ」
姉「ねえ弟。ひょっとしたら、お姉ちゃんはおそば屋さんにだまされているのでは?」
弟「何言ってるのー」

303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 05:15:20.39 ID:snUdFV6XO
姉「弟。ちゅー」
弟「やめてよ。……あれ? お姉ちゃんの唇、甘い……」
姉「ふふふ。もひとつ、ちゅー」
弟「やっぱり甘い。お姉ちゃん、なんでこんなに唇が甘いの?」
姉「それはね、お姉ちゃんが弟とちゅーしたいからー」
弟「甘い。お姉ちゃんの唇、すごくおいしいよ」
姉「ふふー。もっと舐めてもいいんだよ。弟にはいつでも舐めさせてあげるからね」
弟「甘い。甘いよお姉ちゃん……」


姉「弟、起きて起きて。飴を舐めながら寝ちゃ、だめ」
弟「……うん? 今のは、夢?」
姉「ふふふ、どんな夢見てたの? よだれだらだらー」
弟「……言えない」
姉「そっか。お姉ちゃんの唇、言えない程甘かったんだね?」
弟「!……なんで」
姉「現実でも甘いかもしれないよ。ちょっとだけ、試してみる?」

inserted by FC2 system